30代になってから、
「決めきれない自分」を前ほど責めなくなった。
20代の頃は、
すぐに答えを出せないこと、
進む道をはっきり選べないことが、
まるで欠点のように感じていた。
早く決めなきゃ。
ちゃんとした選択をしなきゃ。
みんなは前に進んでいるのに、
私はいつまでも立ち止まっている気がして。
決められない自分は、
弱い人間なんだと思っていた。
仕事のこと、生き方のこと。
「これで行く」と胸を張って言えない自分が、
どこか未熟で、覚悟が足りないように思えていた。
でも今振り返ると、
あの頃の私はただ、
ずっと無理をしていただけだったのかもしれない。
疲れているのに、
「まだ頑張れるはず」と思い込んで。
違和感があるのに、
「気のせい」と流して。
無理に決めた答えほど、
あとから自分を苦しめることが多かった。
30代になって、
体力も気力も、少しずつ変わってきた。
思っていたより疲れやすくなって、
回復にも時間がかかる。
誰かの期待に応え続けることが、
想像以上に重たく感じるようになった。
そんな中で、
「今すぐ決められない」という感覚が
何度も訪れた。
以前なら、
その状態を否定していたと思う。
でも最近は、
少し違う見方ができるようになった。
決めきれないのは、
怠けているからでも、
逃げているからでもなくて。
まだ情報や感覚が揃っていないだけ。
心や体が、「今じゃない」と言っているだけ。
そう思えるようになった。
決めない、という選択も
私にとっては大切な判断だった。
立ち止まっているように見えても、
内側ではちゃんと考えている。
感じている。
整えようとしている。
もし今、
決められない自分を責めている人がいたら、
少しだけ立ち止まってもいいと思う。
何かを選ばないといけないような空気の中で、
選ばないままでいるのは、
案外勇気がいることだから。
決断は、自分を守れる状態になってからでも遅くない。
私はまだ、
はっきりとした答えを持っていない。
この先どう生きるか、
何を選ぶか、
全部が明確になったわけでもない。
でも、それを悪いことだとは思わなくなった。
30代になって、
“決めきれない自分”を
ようやく味方にできた気がしている。


コメント